配当金生活は現実的なのか?株を買うタイミングや銘柄の選び方について

配当金資産運用

配当金生活。それは株の配当金で生活することをいいます。

株を買うとその企業の業績によって配当金を貰うことができ、配当金は1株あたり0円の会社があれば数百円以上の会社もあります。日本では3000社以上の会社が上場しており、その中から株を買うことで配当金を貰うことが出来ます。

そして、株は日本だけでなく海外の株も買うことが出来、海外も投資の対象にすると無数の選択肢の中から投資先を選ぶことが出来ます。

今回はそんな投資の世界の配当金生活について、どのくらいの原資があれば可能になるのか、いつ株を買えばいいのかについて書いていこうと思います。

配当金の仕組み

そもそも配当金とはどのような仕組みでしょうか。

配当金とは企業が株主に対して利益の一部を還元する仕組みです。株式会社は株主のものであり、株を買うことで出資した人に対して配当金という形でリターンを払います。ただ、配当金を払うことは義務ではないので経営状態の悪い会社や成長段階の会社は配当金が出ない、もしくは出ても雀の涙という会社もあります。


配当金の原資は純利益です。純利益とは、売上高から経費や給料、税金など費用をすべて差し引いて残った費用のことです。

たとえ売上が100億円あったとしても、経費や事務所の賃貸料金などの様々な費用を差し引いて100億円以上使ってしまった場合、純利益は赤字となります。

配当金は赤字になると払うことが難しくなるので、経営状態の悪い会社は配当金がほとんどでません。

また、成長途中の会社に関しては、株主に配当金を払うよりも会社の成長を優先させるために利益を再投資して次への成長へ繋げることが多いです。例えば純利益が10億円あったとして、50%の5億円を配当金として株主に還元した場合、次の年度の使える金額は5億円ですが、配当を出さない場合、10億円そのまま使うことができます。

その10億円で最新の機材を買ったり、優秀な人材を雇うこともできます。手元の資金が多ければ多いほどできることも大きくなります。ベンチャー企業などの成長中の企業はその傾向が強いです。

  • 経営状態が悪い企業は配当金がだせない
  • ベンチャー企業などの成長企業は利益を配当ではなく投資に使うので配当金がでない

ちなみに、企業の業績は会社のIRサイトで見れるところがほとんどです。決算短信を探しましょう。


例えば、トヨタ自動車の決算だとこんな感じです。

トヨタ自動車 2020年3月期 第1四半期決算短信

さすが世界のトヨタですね。第1四半期で8000億円の利益をあげています。上場企業は四半期に1回の決算発表を行わないといけないので3ヶ月に1度は企業の業績を見ることができます。企業の業績などから配当金が増えるのか、減るのかも予測しながら投資すると負けにくいと思います。

配当利回り

配当利回りとは、株価と配当金の額から求められます。配当金生活を目指す上で重要なポイントです。

利回りが高ければ高いほど、投資金額に対するリターンが高くなるので、配当金生活を送るためには配当利回りがある程度高い企業の株を買う必要があります。


例えば配当金を1株あたり100円出している会社の株価が3000円だった場合、配当利回りは以下のとおりです。

  • 配当利回り = 100 ÷ 3000 = 0.33 = 3.3%

年間3.3%の利回りがあるということです。この会社の株価が5000円になったとすると利回りは2%になります。つまり、配当利回りは株価によって日々変化しているんですね。

配当金生活をする場合は、配当金を多く出している会社の株価が下がっている時に買わないといけないということです。

配当金生活に必要な原資

配当金生活をするにはいったいいくら必要なのでしょうか。

配当金生活と言っても人によって生活水準は人によって異なると思います。なので、まずは最低限の生活ができる水準で考えます。日本における新卒の初任給はだいたい20万円くらいです。

まずは毎月平均20万円を配当金で得るための金額を計算してみます。毎月20万円を平均で得るということは年間で240万円配当金で得ることが必要となります。

なので年間240万円を配当金で貰うにはいくらの原資が必要か考えてみましょう。

ちなみに、配当金にも税金はかかります。配当金の税率は一律で所得税15.315%と住民税5%の20.315%です。
ただ、新卒の初任給である20万円にかかる税金と同じくらいか少ないくらいなので、税金の計算は今回は考えないものとします。

配当金の利回りは買ったときの株価や増配や減配などで変化するので、持ち株の利回りごとで考えてみることにします。

2019年の配当利回り平均値としては東証1部、2部ともに2%前後が平均値となっています。

平均配当利回り2%の場合

まず、平均利回り2%の場合です。これは配当金生活をする上ではかなり低めの利回り設定になるかと思います。240万円を配当金で貰うための元本はいくらなのか計算してみましょう。

  • 必要元本 = 240万円 ÷ 2% = 12,000万円

配当利回り2%で年間240万円を得ようとした場合、元本として1億2000万円必要という結果になりました。1億2000万円もあれば年令によっては配当金生活を狙う必要があるのか微妙なところですね。

定年後であれば貯金でもいいかもしれません。若くして狙うにはかなり厳しい金額ということはわかります。

平均配当利回り3%の場合

続いて利回りが3%の場合です。

  • 必要元本 = 240万円 ÷ 4% = 8,000万円

利回り3%でも年間240万円を配当金で得ようとした場合は8000万円が元本として必要になります。1億円は切りましたが、かなりの金額が元本として必要です。

平均配当利回り4%の場合

続いて利回り4%です。ここまで来ると投資先もかなり限られてきます。

  • 必要元本 = 240万円 ÷ 4% = 6,000万円

4%で6000万円です。

平均配当利回り5%の場合

最後に配当利回り5%の場合です。

  • 必要元本 = 240万円 ÷ 5% = 4,800万円

5%でようやく5,000万円を切りました。4,800万円となるとコツコツ投資して配当金を更に投資すれば不可能ではない金額にも感じます。

毎年100万円貯めたとすると48年かかる計算になります。定年が60歳の場合には少し間に合わなさそうなので、もう少し投資する必要がありそうですが、定年目指して投資し続けるなら可能かもしれません。

ただ、これらの結果から配当金生活を目指すのは簡単なことではないということがわかります。

配当金の再投資

いきなり4000万円以上の金額を投資するのは厳しいですが、もらった配当金を再投資すればもっと早くに元本を増やすことができます。

つまり毎年株を買い続け、積み立てていくということです。

楽天証券の積立かんたんシミュレーションを利用して複利運用の計算を行ってみました。
毎月3万円積立て20年間行い、配当利回り5%の株を買います。すると以下のようになります。

シミュレーション1

20年で1200万円になりました。つまり、年間36万円の投資の場合は20年で1200万円は期待できるということですね。

ちなみに、ボーナスのときにさらに12万円拠出して年間60万円とすると、以下のようになります。

シミュレーション2

約2,000万円ですね。20代の頃から投資を初めて5%以上の配当株を複利で運用すると40代で総資産2000万円超えを目指すことも可能ということです。ただ、年間240万円の配当金を貰うには4,800万円必要なので、まだ2,000万円ほど足りません。

もう少し期間を長くしてみましょう。

シミュレーション3

毎月5万円の積立を32年間行い、配当金をすべて再投資し続けると約4,800円の資金を手に入れることが出来ます。投資金額は約2,000万円です。配当金が5%以上の会社に投資し続けると配当金だけで総額2,800万円になります。

ただ、税金の関係や株価や配当金額の上下で増えたり減ったりますが、32年間の運用で4,800万年を手に入れることが計算上は可能ということですね。


この運用方法のいいところは、積立を止めてもお金が増え続けるということです。例えば20年投資して、40代で子供が大学に進学するから投資を一旦止めたとします。20年投資すると約2,000万円分の5%配当株があるので年間100万円が勝手に入り続けます。

子供1人の学費分くらいは何もせずに手に入るということですね。これは大きなメリットではないでしょうか。お金がお金を運んでくれるようになります。

セミリタイアには至りませんが、年間100万円の副収入があればかなり楽な生活は送れるはずです。

年間60万円投資に使える家庭なら夢がありますよね。

投資先銘柄の選び方

チャート

利回りの高い株を買えばいいという話ですが、利回りが高ければいいというわけではありません。中には業績が悪く減配する企業もあります。そうなれば利回りも低くなるので期待しているリターンを得られない可能性があります。

では、どのような銘柄を選べばいいのでしょうか。

成長している企業

まず、大前提として成長している企業を買いましょう。決算ごとに前年度の業績より下回っている企業は減配のリスクが高いです。配当金というのは企業の儲けの一部から払われるので、とにかく毎年増収増益の1%でも増収増益の企業が望ましいです。

1年だけ前年比を下回るような場合は次の年度まで様子見するのもありです。次の年に回復する場合もあるので、一概に前年度比で下がっていたらダメというわけではありません。

連続で下がっている場合が問題です。

また、毎年増配しているような企業も狙い目です。毎年増配するということはそれだけ余裕があるということです。そういった企業はまだまだ増配する可能性があるので今後にも期待したいですね。

財務基盤が安定している

次に財務基盤が安定している会社です。

業績は黒字だけれど、自己資本が少ないような会社は少しでも業績が悪くなると配当が払えなくなる可能性があります。

自己資本比率が50%を切っているような企業は長期的に保有するならよく考えたほうがいいですね。自己資本比率が高い場合、もし短期的に業績が悪くなっても自己資本から配当を出せますが、自己資本比率が低い場合は配当を減らさざるを得なくなる可能性があります。

無い袖は振れないというやつですね。財務基盤もしっかりした会社を選びましょう。

1銘柄ではなく複数銘柄購入する

例えば配当利回りが10%の銘柄あったとしましょう。その銘柄に全額投資すれば毎年10%の配当金をもらうことができます。

計算上はそれで正しいのですが、1銘柄集中投資というのはかなりハイリスクです。

何もなければ10%の配当金を受け続けられますが、長期投資において、何が起こるかはわかりません。例えば災害などで業績が急激に悪化したり、その業界が衰退してしまったり、悪いケースだと粉飾決算などで上場廃止になってしまったりと多くのリスクが付きまといます。

災害で言うと、東京電力が原子力発電所の事故でとんでもない額の負債を背負うことになり、それまで配当金を得るために多額の資金を東京電力に投資していた人が大損したという話もありました。

投資先は分散することが大切です。また、業種を分けることも忘れずに。例えば自動車メーカーばかりの株を買って、自動車産業の調子が悪くなると持ち株すべての調子が悪くなります。

様々な業種に分散させることでリスクを軽減することができます。

外国を買うことで国単位での分散

外国株を買うことで国単位の分散投資を行うこともリスクヘッジとしては出来ます。特に米国株は株主に対する還元が大きい企業も多く、また、世界経済の中心であるので最先端技術を持っている企業も多くあります。

GoogleやAppleなど誰もが知る企業も日本から投資することが可能です。

また、米国株は日本株と違い、1株単位での売買も可能なので少額での投資も可能です。日本株だと100株単位での売買しか出来ないので、株価1,000円の会社の株を買うためには10万円が必要になります。

しかし、米国株なら株価10ドル(約1,000円)の会社の株なら10ドルから取引可能です。毎月数万円を積み立てる場合、日本株は100株分の資金を貯めるまでに時間がかかりますが、米国株なら数万円をすぐに買うことが出来ます。

こういった点でも米国株は投資先としておすすめです。米国株の取引ができる証券会社はいくつかありますが、SBI証券とマネックス証券がおすすめです。



SBI証券は国内株式では口座数日本No1であり、売買手数料も業界の中でも最安値を争っています。また、IPOの取扱数も多いので新規公開株の申し込みチャンスも圧倒的に多いです。

その点に加え、外国株を買う際は住信SBIネット銀行の口座利用ユーザーなら、為替手数料が片道4銭とかなり安い値段でドルと両替することが出来ます。米国株の取り扱い銘柄数も2000弱と多くの銘柄の取引が可能です。

SBI証券公式サイトへ


マネックス証券はなんといっても取り扱い銘柄の多さが特徴です。海外証券会社の買収に伴い、日本から帰る米国株取扱数はナンバー1です。

注文方法も複数あり、柔軟性のある取引が可能です。長期投資ではそこまでの柔軟性は求められませんが、短期投資をしてみたい人にとっては使ってみてもいい証券会社だと思います。

幅広い銘柄の中から選びたい人や、短期投資を米国株でも行いたい方に向いている証券会社です。

マネックス証券公式サイトへ

株を買うタイミング

最後に株を買うタイミングです。配当株目的で買った株の株価が下がり続けて、元本が大きく減っては投資としては成功しているとは言えません。出来る限り安くなっている時に買うべきです。

指数が下がっている時に買う

指数とは、日経平均株価のような多くの銘柄の株価から算出される数字のことです。日経平均株価は日本を代表する指数で、東証1部の225銘柄から構成されます。いずれも大企業で構成されているので日本の指標として使われます。

アメリカで言うとNYダウが代表の指数です。

これらの指数は1日に1%前後しか動きません。日経平均が2万円の場合、1%の±200円動けば動きが大きい方です。しかし、年に数回、5%以上指数が暴落することがあります。

主に海外の政治状況や地政学的な問題が起きた時に暴落します。最近でいうと米中貿易摩擦関連や、アメリカの利上げなどの暴落することがありました。

長期投資を行う銘柄を買うタイミングはそのような暴落が起きたときがオススメです。大抵の暴落は一時的なもので、元に戻ることがほとんどです。生活に明確な影響を与えるような問題ではないときは買っても大丈夫です。

買ったらダメな暴落は、リーマン・ショックのような経済危機や、日本の近隣で戦争が起こったようなときです。そうした実生活に影響が出る場合以外は長期投資を行う銘柄を買うタイミングです。なので、指数の暴落を狙って高配当株を買いましょう。

まとめ

まず配当金生活をするために必要な資金は最低でも4600万円必要となります。ただし、いきなり全額投資する場合であり、毎年少しづつ積み立てることで大きな資産を手にすることができるかもしれません。

ただ、配当金生活を行うというのはそれなりの資金が必要であり、若くしてそういった生活をするというのは困難なようですね。コツコツ積み立てていくことが豊かな生活をする1番の近道のようです。

株式で積み立てる場合は

  • 成長している企業であること
  • 財務基盤が安定していること
  • 複数銘柄、複数業種で買うこと
  • 外国を買うことで国単位での分散も視野にいれること
  • 指数が暴落したときに買うこと

が重要になります。

そして、配当金生活というのは投資である以上、リスクを伴います。リーマン・ショックのような何十年かに1度の不況で資産が吹き飛ぶ可能性も視野に入れる必要があります。

もちろん、現物株なら借金をするということはありませんが、長い間、持ち株の含み損が増えることを覚悟する必要もあります。そういった株価の上下でメンタルに支障を起こさない額の投資を行うことが大切です。

無理のない範囲で積立て、夢の配当金生活を目指しましょう!

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