【JT】日本たばこ産業2019年通期決算発表。配当性向は約90%に

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2020年2月6日にJT(日本たばこ産業)の2019年通期決算が発表されました。売上は前期比-1.8%、営業利益じは前期比-11.1%、税引前利益は前期比-12.5%とかなり渋い決算内容となっています。

JTといえば高配当銘柄として人気ですが、配当の額は予想と同額の1株あたり154円となりました。配当の原資である純利益も減益となり、来季も減益予想のため配当性向は驚異の89.6%です。

利益の約9割を配当で吐き出すという状況になりました。

そんな驚異の配当性向を誇るJTの決算を分析していこうと思います。

JT日本たばこ産業の直近の業績

JTの直近の業績は売上に関してはほぼ横ばいですが、利益に関しては下降傾向にあります。

年度売上高(百万円)営業利益(百万円)純利益(百万円)
2015年2,252,884565,299485,691
2016年2,143,290593,329421,695
2017年2,139,653561,101392,409
2018年2,215,962564,984385,677
2019年2,175,626502,355348,190

純利益に関しては2015年と比べて2019年は-28%となっています。

喫煙者の肩身が狭くなり、税金も上がり続ける昨今です。タバコの売上を伸ばすのも、利益を伸ばすのも難しいようです。

最近の禁煙化の動きや喫煙者の減少に伴うタバコのニオイへの嫌悪感もあるのか、紙タバコの売上が年々落ちていますが、電子タバコやベイパーといった加熱式タバコの売上は伸びているようです。

JTは電子タバコの分野ではフィリップ・モリスのIQOSなどに遅れを取っていますが、少しづつ遅れを取り戻しに向かっているようです。

JT日本たばこ産業の2019年通期決算内容

過去の決算から徐々に利益が減っているJTですが、2019年通期決算資料から、タバコの販売数が減っていることがわかります。

紙巻タバコは755億本で前年比-7.9%(約-65億本)で、電子タバコは33億本で前年比+5億本となり、販売数は合計で-60億本ほどとなっているようです。

電子タバコの市場シェアは上昇しているようですが、紙巻タバコの母数が大きいため、紙巻きタバコの販売不振の影響はかなり大きそうです。

紙巻タバコを取り巻く現状としては、紙巻タバコ市場全体の需要減少、価格競争による利益の減少、年々上昇する税率などかなり厳しい状況となっており、電子タバコの分野でシェアを広げることが急務となります。

電子タバコに関してはJTは市場シェアが約23%とまだ伸びしろが残っていると思われますが、競合の海外業者も置かれている状況は同じであり、厳しい競争が続くことは誰しもが予測することです。


また、今期の減益原因として、為替の影響も大きくあったようです。JTはグローバル企業であり、市場は世界全体となります。そのため、多くの国の為替変動の影響を受けることになります。

特にIRR(イランリアル)とRUB(ロシア・ルーブル)の為替変動が大きく、ドル安の影響もあり、自社たばこ製品売上収益は前期比+0.2%であったのに対し、調整後営業利益は前年比-11.4%となりました。

たばこ製品だけでは増収であったのですが、為替の影響を大きく受けた形になります。


決算内容を見て、厳しい状況の中で業績は保てそうだったけど為替に最後持っていかれたという印象です。

驚異の配当性向89.6%と減配のリスク

JTの今期配当は予想通りの1株あたり154円となりました。ただし、2019年は減益だったので配当性向は約79%となります。驚異的な配当性向ですね。

JTは増配を続けてきましたが減益状態が続いていることもあり、来季の配当予想は154円と今期と同じ予想となっています。5年前は配当が96円だったことを考えると少し増配のテンポが早すぎた気もしますね。

そして、来季も減益予想で1株利益171.95円を想定してるので、来季の配当性向は89.6%となります。

ついに配当で利益の9割を吐き出すようになります。これ以上の増配はもはや望めなくなってきました。むしろ減配のリスクも考えられます。配当性向が100%を超えるようなことがあると、流動資産からも配当原資を切り出さないといけません。

一時的な減益ならともかく、近年の業界動向と決算傾向から配当性向が100%を超えるようなことはないと考えられるので、これ以上減益になると減配も考えられます。


ちなみに、JTの2019年の支払配当金は273,162,000,000円です。現在の利益から2割ほど下落すると配当性向が100%になってしまいます。来年いきなり-20%といったことはないと思いますが、4年で20%以上利益が減っている事実もあるのでありえないことではないと思います。


配当目的で投資するなら減配も気をつけたほうが良さそうです。

JT日本たばこ産業の決算まとめ

JTの決算を見る限り、今後もかなり厳しい戦いを強いられると思います。決算発表日の配当利回りは6.6%とかなりの高配当になっていますが、来季は配当性向が90%近くに上昇するため、減配のリスクも懸念されての配当利回りになっていることが考えられます。

ただし、決算時に発表された2020年の経営計画によると株主還元方針については

• 強固な財務基盤2を維持しつつ、中⻑期の利益成⻑に応じた株主還元の向上
 ⁃ 1株当たり配当⾦の安定的/継続的な成⻑
 ⁃ ⾃⼰株式取得は、事業環境や財務状況の中期的な⾒通し等を踏まえて実施の是⾮を検討
 ⁃ 引き続きグローバルFMCG4の還元動向をモニタリング

https://www.jti.co.jp/investors/library/presentation/pdf/20200206_02.pdf

とあり、配当金についてはなんとか維持していこうとしていることが伺えます。また、状況次第では自己株式の取得も検討されているので、配当金が目的で投資するのであれば、多少の期待も持てそうです。

自己株式の取得を行えば、今後支払う配当金が減少するので自己株式の取得は近々期待できるかもしれませんね。


JTの2019年通期決算から、業績としては厳しく、配当性向も限界に近いので減配の懸念もあるけど、株主還元には依然力を入れている企業ということが再確認できました。

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